これで完結?

Goossen et al. 「Synthesis of Biaryls via Catalytic Decarboxylative Coupling」
Science 2006, 313, 662-664.

普段この辺はチェックしていないのですが、「何か凄い論文が出ているらしい」という話だけ聞いたのを今更見てみる。

アリールハライドとアリールメタル種とのカップリング反応なんて死ぬほどやられているわけで、レビューとか読むとアリールメタル種として使える金属なんてもう何でも良いんじゃねーか、という気にさせられます。

この手の反応で特に評判が高いのがボロン酸orそのエステルを使ったSuzuki Couplingでしょうね。発見者の鈴木章先生は多分村上春樹と同じくらいノーベル賞に近いところにいると思います。

で、この論文に戻るのだが、これはカップリングパートナーをカルボン酸にしてしまえというもの。普通のカップリング反応だったら金属塩が出るところ、これは二酸化炭素が飛んでいくだけで終わると。それ以前にそんな事本当に起こるのかよ? みたいなところですが。

脱炭酸のためにCuを使っています。Pd-Cu系で触媒量OK。条件見ると中の人は相当頑張ったのだろうと思いますが(そもそもの思いつきがうまくいく事を狙っているとは思えない)、一つ一つの試薬は簡単に手に入るもの。出た直後にはギャグで追試した人間もいたんじゃないですかね。だから多分捏造では無いのでしょう。

基質一般性とかに関してはまだまだ初期段階、という感じでしょうが、これは末永く続きそうな感じですね。
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by fyama_tani | 2006-10-28 23:36 | 化学:論文絡み