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麻耶雄嵩『夏と冬の奏鳴曲』

No.2
講談社ノベルス:1993
☆☆☆
「分析的キュビスムは、従来の三次元の二次元への当て嵌め方、つまり十九世紀までの遠近法によるカンヴァスへの三次元の再構成を拒否し、時間軸を交えた新たな物体の把握の過程を、時間の流れに沿って生じる複数の視点に基づく断片を、構築し再提示した画法なのです」

それがどうした。

問題作として割と有名かも。そりゃ、舞台が孤島で夏に雪が降るような所ですから。一応、探偵役はメルカトル鮎という事になっているらしいですが、出てくるのが(ノベルス版で)最後の2ページだけ。なんじゃそりゃ、という感じですね。

前評判として聞いていた話では、ラストが意味分からんとか、謎が沢山残っているとかそういう事でしたが、俺はそうとも感じませんでしたね。最後の2ページの使い方が巧いのでしょうね。大体の謎はそこで解決可能ですから……。そういう意味から、探偵の使い方は綺麗に決まっていると俺は思います。

あとは、話自体の必然性、という事なのでしょうかね。確かに「和音とは結局何だったのか」という命題にはきちんと答えていないような気がします。でも、これだけに延々ページ数割かれる、ってのもねぇ、と感じたのですが。キュビスムだの何だの、頑張って調べました感は伝わってくるのですが、流石に重い。桐璃の○○が○○されるとか、エピソード単体の使い方にはレベルの高さを感じるので、もっとストレートに勝負した方が面白かったかも。

関連本→
近藤史恵『凍える島』:孤島物で、結末への雰囲気作りが本作に近いような気がします。
舞城王太郎『煙か土か食い物』:「名探偵」の使い方が巧いという作品から。
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by fyama_tani | 2006-04-30 21:46 | 本:国内ミステリ

今日は人生において重大な選択をしました。

嘘かもしれない。

具体的には、「何もしない」ことで意思表示をしました。

ずっと昔から選択肢の一つにはあったけれど、これを切る事でまたありえなかった選択肢に近づいたのでしょうか。

でも、「もの珍しさ」から言うとこっちだから有り。

難点は、一歩間違えると無職になることか。

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by fyama_tani | 2006-04-30 21:28 | 雑記

米澤穂信『春期限定いちごタルト事件』

No.1
創元推理文庫:2004
☆☆☆
ああ、絶対に憶えていたはずなのに。唸れ海馬。繋がれニューロン。ついでに時間も止まってくれれば言うことはない。

海馬は唸らない。「自分が覚えていないこと=自分にとって重要でない事」と解釈すれば万事うまくいきます<馬鹿

「日常の謎」ものの一作。高校一年生の小鳩君と小佐内さんが小市民の星を目指して事件にはなるべく関わらないようにするみたいな短編集。何か過去にあったような設定ですが、ベタに本人達がそう言っている(もしくはお互いが言う)科白から読み取れるだけで、状況描写からはあまり読み取れなかったのが残念。

重いテーマを扱っているわけでもなければ、論理のアクロバットを要求しているわけでも無いので、電車の中とかで軽く読むのには良いですね。それなりに意外性もありますよ。ただの自転車泥棒が実は○○に絡んでいたとはねー。ちょっと日常に焦点を当てているにしてはスケール大きくない? と思いましたが。長編にしても耐えられるレベルかもね。

そしてごく最近続編といえる短編集(店頭で見ただけ)が出ました。気になる人はそちらも併せて。

関連本→
北村薫『空飛ぶ馬』:この系統のミステリにおいて、教科書と言える存在でしょう。
乙一『GOTH』:登場人物の関係のようなものは似ている。よりダークな世界観を求めるなら。
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by fyama_tani | 2006-04-29 21:02 | 本:国内ミステリ

1万円の余裕を作れば

今日本屋で適当に本を見ていて感じた事なのですけれどね。
もし、1ヶ月に1万円だけ、本にしか使わないという事を決めてみようと思いました。

これで例えば、2000円の本ならば5冊買えます。1500円の本ならば5冊買って、残りの金で文庫本が3冊は買えます。

今の生活環境から言って、これだけあれば1ヶ月の分量としては十分すぎるほどです。また、ここで言っている1500円とか2000円とかの本というのは、ハードカバーの小説を指しているわけではなく、情報を得ることを目的としている本の事です。単純な小説ならば文庫で10冊以上購入が可能です。

今まで、本屋に行って欲しいと思った本があっても「金が無いから」という理由だけであきらめたものがたくさんありました。もちろんこのうちのほとんどは、実際読み始めても最後までそのモチベーションが持たないものでしょう。しかし、それを見極めることなく捨ててしまうのはかなり勿体無い事であるはずです。

そこで、来月からちょっと実験的に始めてみようと思います。1ヶ月1万円読書生活。ちなみに、その分は食費でも削って何とかしようと思います。倒れない程度に食事でも抜きますか。

あのクリスティは幼少時代、育った環境が貧しかったので「お金がかからない」読書にのめりこむようになった、と言われておりますが、どう考えてもブルジョア的生活です。
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by fyama_tani | 2006-04-23 22:52 | 雑記

ヴィレッジヴァンガードのPOP

さて、何書こう。
ちょっと前に気づいた事です。ちなみに、ヴィレッジヴァンガードに行った事が無い人には何のことかさっぱりな感じですかね。
あそこの特徴として、「POPの内容が店員の自由裁量になっている」というものが挙げられるのですが、数店舗回った人ならば何となく全体の傾向が似ているという事くらいは分かると思います。
その関係で自分が印象に残っているPOPというのが、フォント集の本に対して置かれた、「私たちの字も加えてくれませんか」みたいな一文。
本来、自由裁量と言うならば、それぞれの店、いや店員によって字は違っていても良いわけです。しかし、実際には(当たり前ですが)全店舗でマニュアルのようなものが存在し、その中には字体に対するものも当然ある。でもそれを表立って主張してしまうと最初の自由裁量という所と矛盾してしまうのです。
そんな中にあって、全体のフォントが存在する事を認めつつ、それを軽々とネタに昇華しているのは(実際これを書いた人はあまり深く考えていないと思うのですが)巧いと感じました。
要はそれだけ。
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by fyama_tani | 2006-04-22 21:35 | 雑記

開始

もう少し公開性の高い文章をここに。
mixiからは一方通行で。
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by fyama_tani | 2006-04-22 16:25 | 雑記