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乾くるみ『イニシエーション・ラブ』

No.78
文春文庫:2004
☆☆☆☆+
 東京で暮らすようになって、まず最初に感じたのが、水道水の不味さだった。カルキ臭がとにかく強いのだ。

残念ながら私は全くそれを感じなかった。他の地域の生水も同様。何か、東南アジアの生水とか飲んでも大丈夫なんじゃないかと思う。

Side-A・Side-Bの二部構成。Side-Aは合コンの代打として出席した大学生の鈴木君が成岡さんと出会い、愛を深めていくところまで。Side-Bは就職して東京配属が決まり、遠距離恋愛となった鈴木君と成岡さんの関係が微妙になっていき、別れるまでが描かれる、と。

これぞ二部構成にふさわしい作品ですね。

おそらく、大多数の人がSide-B、ラスト二行目でかなり混乱するのではないかと思います。そこから、作者が仕掛けた多数の罠を自分で解明していくところが本作の本当の始まり、と言えます。

まあ、ぶっちゃけ言えばパターンとしては新しいものではないと思います。大して読んでない俺でも同様の作品に思い当たったし、昔「こんな趣向のものがあったら面白いんじゃね?」と自分で思ったアイデアをもっとシンプルにやった(最初それが念頭にあり、その方向で解釈しようとして詰まった)だけだった、という辺りからも、トリック自体は「コレはオンリーワンだ!」というものでは無いと思う。

ただ、この作品は、普通この手の作品に良くある、「読者を最後まで引き付けておくための謎や事件の提出(誘拐事件だったり悪徳商法団体の壊滅を狙ったり)」が全く無いという点においてかなり異質なものになっています。だから最後の2行を読むまでは、これはミステリでもなんでもなく、ただ男女の付いた離れたを描いただけの作品(かなり指摘されているが、それだけでは大した作品ではない)としか読者は考えない。これ、凄い賭けだと思います。しかも最後の最後で明かしてぶん投げるということは、気づいてくれなかったら作者としてフォローする手段が無いわけですし。そのために「最後の一行」では無くて「最後から二行目」にキーが提出されるのではないかという指摘をその後読みましたがこれは目から鱗。

文庫版ならば、解説で詳細なネタばらしがされているので、かなりこれで読みやすくなっていると思います。解説最後に書かれている、ある趣向に隠された意味の説明は本当全く気づかなかった。

今なら文庫化されてその辺の本屋で簡単に手に入ると思われるので、まだの人は読んでみるが吉。そして途中で「つまらん」と思っても絶対最後まで読んでみましょう。間違いなくびっくりするから。

関連本→
歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』:これも先に「補遺」を絶対読んじゃだめー。共通点も多いです。というかこっちがあまり間を置かず先に出ていたのは紹介作にとってかなり不幸だったかな。
冲方丁『マルドゥック・スクランブル』/『マルドゥック・ヴェロシティ』:どこまで意図されたものかは不明だけど、この2作もある読み方をすることである登場人物に対する印象がガラリと変わる。
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by fyama_tani | 2007-04-29 23:26 | 本:国内ミステリ

桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない-A Lollypop or A Bullet』

No.77
富士見書房:2004
☆☆☆
「おとうさんにしか殴られたことないんだから!」

この科白はやっぱりアレを意識してるんですか。

私的には桜庭一樹は今年くらいにかけてもっと有名になる書き手さんじゃないかと思っているのですが、本書はそれを象徴するが如くの、ラノベとして最初出て、その後単行本として最近再刊された一冊。乙一と同じパターン(冲方丁も同じカテゴリか?)ですね。ちなみにラノベ版なら持ち歩きやすい上に約3分の1の値段で手に入るので極めてお得。ただし表紙とか途中のイラストは思いっきりそっち系という諸刃の剣。

一般的にラノベと呼ばれるものを全く読まないので、どの辺りの立ち位置が一般的なものであるか良く分かっていないのですが、本書は極めて一般的な作品であると感じました。二人の女子中学生を通して、両者の成長を描く、と思いきや……みたいな内容。

この前読んだ『少女七竈~』と比較すると伏線の張り方が甘かったり、描写が直截的過ぎに感じるところがいくつかありましたが、それは発刊順の問題でしょう。基本救いようの無い結末ですが、以外に良い人が多かったり、ちょっとした謎解き要素がアクセント(「答えられない問題」のエピソードは、「落語かよ!」って思いましたが)っぽくあるのは好印象。

あと、この人はうらぶれた片田舎の描写が巧いですね。変に美化するなんてのは論外ですが、笑いに走ることなく淡々とこれだけ書けるというのは結構貴重かも。

関連本→
北村薫『秋の花』:これに限らず、少女二人が出てきて片方が欠ける、という設定は比較的多い。
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by fyama_tani | 2007-04-29 22:37 | 本:その他

深水黎一郎『ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!』

No.76
講談社ノベルス:2007
☆☆
「そういう意味では、超能力の本当の敵は懐疑論者ではなく、超能力者を騙るイカサマ師たちであると言うことができるでしょう」

この一文、「超能力」を「メタミステリ」に変えても通用するかもな。

久々にメフィスト賞ものでも読むか、と。『冷たい校舎の時は止まる』以来ですかね。

内容は、なんというかアレです。作家である主人公のもとに届いた一通の手紙、そこには「『読者』を犯人とするトリックを思いついた」という内容が書かれていたと。

ところで、この設定を聞いて「おおこれは面白そうだあ」と感じる人ってどれくらいいるのでしょうか? 大方の人にとっては「ハァ?」で終わると思います。で、そこで読むのをやめればそれは非常に賢明な判断でしょう。

メフィスト賞という存在には賛否両論があるとは思うのですが、基本的には「新しいスタイルを世に問える作品」を出すことで現在の地位を築いてきたんじゃないかな、と考えています。自分自身は清涼院流水や西尾維新辺りを評価していませんが、この点に関しては異論が無いです。

で翻ってこれはどうか、というと、何も問えていない。この作品自体メフィスト賞の過去作品の焼き直しのような印象を受けたし、超能力に関する記述とかを読むに知識はある人だと思うのですが、だから何なの? という感じ。「読者が犯人」ということの重大性が理解できない人間(基本的に頭がおかしい)にとってこれを読み続けるのは厳しい内容でしょうね。そしてその肝心のトリックも無茶苦茶というか、これOKにしたら何でもありじゃん、と。もちろんそこに何らかの作品的な必然性があれば問題ないと考えますが、ページ数を明記して伏線の回収を行った(実作でこれをやるのは自分の文章力の無さを強調しているだけで格好良いやりかたとは思えない……)割には、だから何なのみたいな。もう限界が近づいてきてるのかなメフィスト賞……。

そしてこのタイトル。えっと、どういう意味なんですか。皮肉とかではなくて素で分からないんですけど。ネットで少し調べても良く分からず……。

関連本→
芦辺拓『グラン・ギニョール城』:この本のあとがきで氏が述べている「メタミステリにおける限界」というのはまんまこの作品のためにあると思う。
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by fyama_tani | 2007-04-21 21:48 | 本:国内ミステリ

城平京『名探偵に薔薇を』

No.75
創元推理文庫:1998
☆☆☆
「全ての謎、全ての不可解を解明できる存在を信じますか」

信じない。そんな人がいたら既に全ての謎は解明されているはずだから。

第8回鮎川哲也賞最終候補作。他の最終候補作、柄刀一『3000年の密室』、受賞作、谺健二『未明の悪夢』は読了済み。そしてこれが残った。

1つの長編というわけでもなければ、連作短編集というわけでも無い、2部構成という変わった体裁が取られた作品。両方とも、「小人地獄」と呼ばれる、現実にはありえないような設定の毒薬が中心となった事件の謎解きが一応の主題となります。

この「小人地獄」の設定、化学をかじった人間からするとリアリティのかけらも無いというか、これはいくらなんでも20世紀を舞台とした作品として無茶苦茶過ぎるだろうという気がするのですが、それは今回無視しましょう。

さて、本作では、「どんな謎でもたちどころに解明する」瀬川みゆきという登場人物がいます。この人の関わり具合が、第1部と第2部でどう変わっていくかというのが本書の核であり、ポイントになると。第2部終盤、印象がめまぐるしく変わっていくところが一番の読ませどころなのでしょう。

ただ、2部構成にした意味が弱いのがマイナスですか。第1部が第2部の単なるフリで終わってしまっている感があります。無難に普通の連作中編という形で出すべきだったと考えます。

結局、自分の中ではアイデア一発勝負の『3000年~』と比較して若干落ちるかな、という評価。『未明~』とは比べ物にならないです。あれはあっちが凄すぎる。

関連本→
近藤史恵『ガーデン』:「名探偵」を同じような形で扱った作品だと思います。雰囲気はこちらの方が好み。
殊能将之『黒い仏』:探偵がやっていることは全く同じことだと思うのに、こちらの作品だけ物凄く叩かれているというのは、ちゃんと作品に向き合っていないように見えるからなのでしょう。
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by fyama_tani | 2007-04-15 20:45 | 本:国内ミステリ

観光客の目で宇都宮を視る(2日目1・4/8)

―前:1日目3―

食べすぎで胃が痛いというのもどうかと思う。

胃薬を飲んでもさして状態は快方に向かわない。自分の意思だけでここまで食べたのは初めてかもしれない。人が絡んでいるともっと食べることもあるが、その時より状態が悪いのは飲み会でビールピッチャーで空けても平気なのと1人で飲むと350ml缶1本でフラフラになれるということと同じことなのだろう。

朝食?

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関東・栃木レモン(栃木県限定)。「レモン牛乳」として有名なアレ。もともと関東乳業というところが細々と作っていたものの会社が潰れ、栃木乳業が何故か引継ぎ作り出したという代物。栃木・宇都宮関係のものを説明すると「何かが一旦潰れた」という表現が多くなっているような気がします。

でも現在は法律の問題で「牛乳」を名乗ることはできないらしい。だから「関東・栃木レモン」という中途半端な名前。ファンタのごとく無果汁なので「固まるのか?」という心配は皆無。味はただ甘い。それだけ。

ちなみに、針谷乳業というメーカーも似たような飲み物を出しているらしい。こんな飲み物が2社でしのぎを削っているとは何かおかしい栃木県。

これを購入したコンビニ(東武駅前バス停前のセブン=イレブン)はコンビニでOTC薬を置くかどうかという議論が為されるはるか前から普通に薬を扱っていたという点において興味深いです。いやただ経営者が薬局をやっていただけとかそういうところだと思うのですが。でも珍しいですよね?

さて、昼食は宇都宮を出ます。宇都宮線で15分程度北上。

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氏家駅に来ました。現在、私は出身地を聞かれた時には「宇都宮です」と答えるようにしているのですが、正確にはここ出身なんですよね(ただいちいち説明するのが面倒なのと、別に中学から宇都宮だから大きく外しているわけじゃないよね? ということで)。旧氏家町。いわゆる、平成の大合併の影響で「さくら市」となりました。この名前に関しては他の町がこの名前にすることを想定の上合併話を進めるもゴタゴタがあって合併が遅れたのに乗じてパクッたという話があります。第一さくらで有名なところなんて無いし。きっと住民の頭の中に咲いているのでしょう。

ちなみに、日曜の昼間だというのに駅前の商店街に人っ子一人いません。全部潰して産廃処理場にでもした方が良いんじゃないだろうか。

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信じられないほど頭が悪そうなネーミングの店。「バカ安」と呼ばれていた。大手にさきがけてファミコンの中古買取・販売をやっていた。しかも、「売り手が値段を決める」という現在のネットオークションブームを予見したかのような先進的な仕組みを当時(20年近く前)から導入。しかし所詮値段を決めるのは九九が言えない小学生なので(この町の小学生は文字も読めないのが普通です)、ファミコンソフト3本100円とか非常にアグレッシブなラインナップとなる。そして店側も動作確認なんてものはしないのでぶっ壊れていることも多い。

その後大手中古取扱い店が出てくると、この無茶苦茶な価格設定を生かして「バカ安で買ってそっちに転売すると儲かる」という話が出てくる。今の「せどり」の先駆けか。

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この町で一番大きな病院。ヤブ医者だらけという噂が昔から絶えず、病院の名前をもじって「コロス病院」と呼ばれていた。実際のところはどうなのか知らん。最近、医者の出身大学を公表するという試みをしたらしく、行って確認したところ担当医が「琉球大学卒」だったという話を聞いたような。

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「正嗣 氏家店」。ここの餃子は昔から食べてた。こんなマーク(赤で書かれた、ひらがなの「ま」をもじったもの)があるなんてはじめて知りました。

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お菓子の直売所。まあまあ安いし、詰め合わせのようなものもバリエーションが結構あるので、簡単なわいろ向けに良いと思う。アイス食った。

これら雑多なものはさておき、本日わざわざこんなところに来た本来の目的は、ここです。

7. 登竜

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旧氏家町で最も有名なラーメン店。小学校時代から「登竜のラーメンは美味い」という話を聞いていて、更に他の町に住んでいる友人からも「氏家なの? じゃあ登竜知ってる? あそこおいしいよね」と言われるようなそんな店。わざわざこんなフリをして出してくることからミエミエだと思いますが、私氏家に18年住んでいましたが今日来たのがはじめてです。もともとウチの人間は外食が嫌いで、家族でどこかに食べに行くなんて機会は1年に1度あるかないかであり、加えて地元で完全な嫌われ者だったウチは地元の店を使うなんてありえない、といった考えで、まあこの2つが重なればいかに有名店でも来ることはなかったわな。

そういう経緯があって、電車通学になった後も氏家駅ではなく、その隣の駅を使わされるという徹底ぶりなので、この辺りの地理には対して詳しくありません。でもたどりつけるくらいなので、場所は分かりやすいと思う。駅から20分近く歩かされるけどね。今回ネットで改めて調べたところ、栃木県全体でかなりの評判を勝ち取った店らしい。県下に支店もある。更に驚いたのは、横浜にも支店を出していたこと(が、潰れたらしい)。

11時半頃入店。この時点で9割方席は埋まっていた(座敷も含めれば50人くらい入れる感じ)。その後もひっきりなしに客は来ていた。確かに凄い。メニューの量が半端でなく、ラーメンだけでも相当な種類の上に定食も充実。

ネットで見る限り店一押しっぽそうだったみそラーメンと餃子を注文。

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↑みそラーメン。鉄鍋に入ってくるのがこの店のスタイルらしい。田舎味噌系の匂いが結構強い。写真では分かりにくいが、盛られたねぎの下には炒めた野菜がごっそり入っている。そして麺は自家製の太麺(喜多方ラーメンっぽい感じ?)。麺が美味い。かなりボリュームがあると思うのだが、ガンガンいけた。これは確かに評判を呼ぶだろうなあ。ちなみに、これだけでは器を鉄鍋にする意義があまり感じられなかったが、実は「雑炊セット」というメニューがある。これを頼むとミニコンロとご飯が来て、ラーメンの残りスープで自分で雑炊を作ることができるのだそう。中々凝ってるなぁ……。

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餃子。これも自家製。可も無く不可も無く、という感じだった。普通に食事するなら是非ライスが欲しいところだ。

厨房は4人くらいでテキパキやる、という感じ。一方フロアはおばちゃんの態度が若干適当だったのが残念。これだけのものを食べさせてくれるなら我慢できるレベルか。今度は定食を食べてみたい。

―次:2日目2―
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by fyama_tani | 2007-04-15 16:53 | 雑記

観光客の目で宇都宮を視る(2日目2・4/8)

―前:2日目1―

プチ氏家ツアーも終了。再び宇都宮へ戻る。といっても、やっぱり胃は限界なんですよ。ただ時間はまだ余裕があるので、かなり迷った挙句に、あと1軒だけ入ろうと。

8. 餃天堂

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西口駅前すぐ。という抜群の立地条件ながら、結構地味な印象がある。実際、客の入りは結構微妙だった。店員さんの動きは悪くない。席に座ると水ではなく、冷茶が置かれる。いきなり緑の飲み物が来たのでびっくりしましたよ。粉茶だと思うが、こういう小技が効いているのはプラスポイント。焼1人前と半ライスを注文。ここまで来て初の餃子ライスです。予め「10分くらいかかりますがよろしいでしょうか?」と聞かれる。確かに、焼き方によってはそれ位時間がかかるものであるからこういう心遣いはありがたいと思う。

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↑特徴的な形。一口食べると肉汁がかなり出てくるのだが、これは完全な仕込み系ですな。これ、熱いうちには問題ないのだが、最後の1個くらいになってくるとくどく感じてくる。多分ここが有名店に対して越えられない壁。タレとしてマヨネーズがあるのも珍しく、ではと試してみたが私には合わなかった。

他店とちょっと違う切り口で勝負する、というのは理解できるし、それを大きく外しているわけでも無いと思う。そして店内の雰囲気も悪くない。では何故ここが人気無いのかというのは、これは完全に値段がいけないでしょうね。餃子1人前420円は宇都宮物価としてはかなり高いですよ。何とかならないものなのかねぇ……。

もう良いや。帰ろう。

9. 宇都宮餃子館(おみや)

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ここは完全な後乗りチェーン店ですな。確かウチの町(氏家)出身で県会議員やってた人がボスだったと思う。その人、自動車学校の経営にも関わっていたはず。ちなみにそこの自動車学校は、付加設備が何も無い代わりに教習料が安く、更に楽に免許が取れるということで県外から来ている人も結構多かったです。初心者時に危険運転で摘発される人間が極めて多いと県警に目を付けられていることでも有名。私はそんなところで免許を取ったので免許を持っていても車が運転できないのです。

駅近くにも数店存在しますが、この怪しげなキャラクターの像がある店(大通りの入り口にある)が一番目立っているか? 「スタミナ健太君」だかなんだか知りませんが、目がイッているのには何か深い意図が。事前リサーチによればこの店は朝の6時半からやっているらしく、当初は「朝から餃子」というこれまでの生き方を深く反省しなければいけないのではないかと思わせるような試みをしようと思っていたのですが、前日食べすぎであえなく断念。

で、実際入ったのは駅構内にある店です。テイクアウトでこんなものを購入。「テイクアウトのみでこれくれませんか」って店員に言ったら、「ハァ?」って顔されたよ。

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餃子おむすび。3個セット。最早何がしたいのか分かりません。おにぎりの上に餃子がのせられて、のりで巻かれている。微妙にしそ系の味付けもされているかな。で、タレが一緒に付いてくる。これをつけながら寿司のごとく食え、ということらしい。餃子に味をつけるというのではなく、あくまでこういう形にこだわったのが良く分からない。つうか、店で食べるなら普通に餃子+ライスで良いじゃん。テイクアウトして弁当として食べることを想定しているのなら方向性は悪くないと思う(合わない組み合わせでは無いですしね)。でも注文してから出てくるまでに時間がかかる(10分近くかかる)のはマイナス。作り置きで良いから、テイクアウト専用としてもっとアピールする戦略に出たほうが良いと思う。

当然帰りの電車の中で食べるというようなことは無く。せっかくなのでグリーン車で帰る。宇都宮線の場合、グリーン券を買ってまでといううまみが出てくる距離となると、ほぼ全線乗り通しというくらいしか考えられないのではないかと思う。すなわち、客の出入りは極めて少ない(宇都宮で乗った人はほとんどが大宮より先まで行くし、逆に乗ってくる人はほとんどいない)。更に新幹線のようにホームに面したドアとの間に一枚内ドアがあるから、停車時の外の様子が分からない(これは乗り越す危険性も高まることを意味しているが、終点まで行く人ならば全く問題ない)。結局、熟睡するには物凄くうってつけな環境というわけですね。土日(平日より安く買える)で凄い疲れてる時だったら積極的に使ってみてもよいかもしれませんねえ。

まとめ。

何故ここまで宇都宮=餃子というイメージが定着したかという点に関して、「他にアピールできるものが無かった」という点からできる限り目をそらした現実逃避的な視点から考察。まず第一点は東京から実質電車一本で行けるという地の利だろう。在来線でも行けるギリギリの距離だからこそ、費用を抑えつつ、ちょっとした観光気分を味わうことが可能になる。そして、餃子という普通メインメニューにならないものだからこそ、多店舗の食べ歩きを気軽に行える。これが例えばラーメンやどんぶり物だったら、1日に何店舗も食べ歩くのは常人では厳しいだろう。しかし、餃子は普通サイドメニューとして頼まれるもの。ライスなどを排し、餃子だけ注文すれば1店舗当たりで食べる量は大したこと無い。加えて、昔からの有名店が「餃子が小ぶり(=1人前当たりの量が少ない)」「餃子以外のメニューがほとんど無い(=堂々と餃子のみを注文できる雰囲気にある)」という特徴を有していたことも追い風につながったと考えられる。

次に地元にもともと根ざしていたかどうか。これの尺度となるのは、味ではなくて値段であると思っている。「宇都宮に餃子を食べに行ったけど大しておいしくなかった」というような意見がネット上で多数見られたが、そりゃそうだろうと。みんみんで220円、正嗣に至っては170円という値段に代表されるように、わざわざ「宇都宮は餃子の町」と負のアピールをする前から地元民に知られている店は軒並み他地域のそれに比べて安い。博多に行くと死ぬほどラーメン屋はあっても、1番客が入っているのはプレハブみたいな怪しいたたずまいの元祖長浜屋(400円、替玉50円)だというのと同じことだろう。

みんみんの行列に並んでいたときに、近くにいた客が非常に興味深い発言をしていた。「これって大勝軒っぽくね?」。決して目立つ場所にあるわけでも無いのに開店時は常に行列、それなのに店内はお世辞にも大量の(しかも一見さんも多いだろう)客をさばくためだとは思えない昔ながらの食堂的な配置。流石にあちらには及ばないと思うが、その意図は分からなくも無い。すると、すぐ近くにあって、取材を一切受けずに餃子のみを作り続ける正嗣はさしずめ二郎といったところか。まあ大勝軒も二郎も系列店含めて一回も行ったこと無いけどな。

同じような試みを何かの形で都内でやってみようと思ってます。いつまで東京にいられるか分からんし、名所をめぐるなら今だー、と。
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by fyama_tani | 2007-04-15 16:47 | 雑記

観光客の目で宇都宮を視る(1日目1・4/7)

観光客の目で地元を視る。

出身どこですか? と聞かれて、「栃木(宇都宮)です」と答えると「餃子で有名なところですか?」と言われるのがお決まりのパターン。

いや別にそんなに詳しくないし。というか知らん。

もちろんこれは100%正直な意見なのだが、それで良いのか? と思った。避けられはするけれど決して格好良い返しではない。大体、「宇都宮にいた人間イコール餃子マニア」という図式が作られたものであると理解できている人だったらそんなこというわけが無いだろうし。

というわけで、餃子の食べ歩きをしに宇都宮に行ってきました☆

一泊二日で。どんなやさぐれっぷりだ。社会に対してやる気がイマイチ起きないからこそできる芸当ですね。

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上野から普通電車で1時間40分程度。旅行という概念においては確かにそう遠くないね。

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屈辱の餃子像。コレがある宇都宮駅東口は再開発するっぽいようなことが書かれていたが、コイツの処遇はどうするのだろうか


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いつの間にか編入合併していて、50万都市になっていたみたいです。でも政令指定都市の目安とされる80万には遠く及ばない。というかこれからも無理だろうな。

今度浜松市が政令指定都市指定されたことに伴って、「餃子消費量一位」を晴れて陥落する(調査対象都市は全国県庁所在地と政令指定都市)可能性が大きくなってきましたが、そんな最後の輝きを見届けてきます。ちなみに以後出てくるメニュー、みんな始めて食べた(支店で食べたものはあるが)のですが。というより店のチョイスはどこか旅行へ行く時と同じ感じでネットで調べたものが基準になってるし。

1. 宇都宮駅構内 野州そば

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@在来線7-10番ホーム。私の昔の記憶によればどこにでもある普通の駅そば店だったはずなのですが、こんなメニューが付け加えられていました。

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餃子そば。

揚げ餃子が3個乗っています。頼むからもう少しきちんとメニューを考えてください。ちなみに餃子は適当な中華弁当の付け合せに入っているものレベル。そばと合うかどうかについてはノーコメントで。この内容で天ぷらそばより高いのは納得がいかない。

一時期宇都宮駅構内とその近辺はいろんな店が潰れまくってそれはもう悲惨な感じでしたが(周りはともかく、駅構内があそこまで殺伐としているのはその県を代表する駅として極めて珍しい事態だと思った)、ここ2~3年でテナントを強化するとか少し努力の跡が見えるようになってきましたね。まあ餃子店中心だけどな。

で、餃子店があるエリアは2つあって、改札そばのエリアが「餃子小町」と呼ばれる比較的最近できたエリア、あと駅ビルパセオの1F部分にそれより少し前から店が出ています。そのうちの片方。

2. 餃子の店 青源

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ちなみに隣には多分宇都宮で最も有名な餃子専門店、みんみんが支店を出しています。そのせいか客のほとんどはそちらに流れ、そっちが大行列である一方、こちらはほとんど客がいない、という状況になっています。絶対立地条件で損してる。

ここはもともと味噌屋で、宇都宮が本格的に餃子の町として誤った方向に進み始めた頃とほぼ前後する形(いつからなのかは不明)で、味噌を使った餃子を出すようになった、という経緯の店です。

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ねぎ味噌餃子、特製水餃子(、あとビール) <昼前からビールを飲むな、という話

実はここのねぎ味噌餃子は昔別な支店で食べたことがあって、結構おいしかった記憶があるので割と期待していました。が、イマイチ? なんかもっと皮にパリパリ感があったような気がするのですが。微妙にさめているような感もあったし……。焼きの人間のレベルが低いのかなあ? もう一つ、水餃子は一応この店のメインメニューで、簡単に言うと味噌汁に餃子が入っているもの。餃子以外にももやしとか青梗菜とかが入っていて、結構ボリューム有。これだけでも十分な食事になりますね。個人的には、もう少し辛味が欲しかった。辛口スープのメニューは別にあったからそっちを頼め、ということなのでしょうか。

つうかそれなりの量は食べるだろうという覚悟の元、朝は何も食べずに出てきたのですが、もうおなかいっぱい。ひよわですな。ということでそれなりに時間がつぶれるだろう行列店へ。

―次:1日目2―
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by fyama_tani | 2007-04-15 16:41 | 雑記

観光客の目で宇都宮を視る(1日目2・4/7)

―前:1日目1―

3. みんみん 本店

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お前ら何故餃子ごときでそこまで並ぶ。交通整理用のガードマン有。1時半ぐらいに行ったが軽く2~30人並んでた。ガードマンのオヤジいわく、「大体今くらいが一番空いてる時だよう」ちなみに、100人以上が並んでいたのを見たことがある(GW時)。大通りから路地に入ったかなり分かりにくい立地条件だが、これだけ並んでりゃ分かるか。

30分弱待って入店。その辺のボロイ食堂だよなあ。カウンターと10人くらいが座れる大テーブルが数個と、明らかに観光客を意識した作りでは無い。焼餃子と水餃子を一つずつ注文。壁にメニューが貼ってあるのだが、一番高いのはビール。ほとんどの人がライスも頼まず餃子だけ、というスタイル。

時々写真で見る店主のオヤジが自ら焼いていた。下っ端に丸投げせずちゃんとやっているのは好感が持てる。みんみんの餃子は味が結構しっかりしているというイメージがあったのだが、それに反してかなりあっさりした食べ口だった。これなら多分想定していた量より食べられるだろう。だからなのか、追加注文していた客も結構いた。というかこれだけ混雑していて追加注文を受け付けるってことに驚きですが。

ちなみに、この店の水餃子はただ餃子をお湯で煮ただけのものをお湯ごと出してくる(だから焼と全く値段が変わらない、ということだと思う)という玄人向けのメニューなので、それでも良いという人じゃなければ頼まない方が良いです。ここにタレを入れて全部飲むとかやっているから栃木県の三大疾患の死亡率は全国的に見て高い水準にある(ちゃんと調べていないので今違うかも)のでしょう。さすがに全部は飲む気がしないなあ。

ここには揚もあり、別な支店で食べたことがあるのですが、そっちはまあ1度食べれば、という味だったと記憶していたので今回は注文せず。ここに来たら水・揚は最低限でひたすら焼を食べるのが良いと思う。狙ってない肉汁が出てくるのがプロの技。

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店出た時にまだこれだけ並んでる。2時過ぎだというのに。

そして更に特筆すべきことなのかもしれませんが、ここから徒歩数十秒のところにほとんど同じレベルの行列がある。

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正嗣(まさし) 宮島店(↑のみんみんの写真と同じ時間に撮影。だから2時過ぎ)

地元ではみんみんに並ぶ巨頭(餃子の町という十字架を背負わされる以前から知っていた餃子の店を2軒挙げよと宇都宮の人に聞けばほとんどの人がこの2軒を挙げるはず)であり、県内に多数の支店を持つという点も一緒。ただ、みんみんが「宇都宮餃子会」なる良く分からない会のトップに収まり、メディアに多数露出しているのに対し、正嗣は全ての取材を断っている(本店は。餃子会に加入している支店もあるようだが、あまり目立たない存在)という徹底ぶり。つまり、ほぼ口コミのみでここまでの行列が形成されていることになる。ちなみに、↑の写真手前に写っている黄色いのぼりが宇都宮餃子会加盟店の証なのですが、正嗣とは関係ない別な店。二大人気店に挟まれて、全く客が入っていなかったよ。たまにはこの店の存在も思い出してあげて下さい……。

いやそれだけならまだ良いのですが、この店のメニューは「焼餃子」「水餃子」「生餃子(持ち帰り用)」の3種のみ。「宇都宮の餃子屋は餃子しか出さない」というのを最もシンプルに体現している店と言える。で、水餃子はみんみんに同じくお湯に餃子がぶち込まれただけのものが出てきますからね。地元民以外にとっては焼一択と言えるでしょう。

正嗣は支店で散々食べているので、今回は食べていないが、やっぱり本店効果というのはあるかもしれない。また、美味いことには異論が無いが、だからといって県外からわざわざ来て食べるレベルか(これはみんみんも同じことが言えるが)? と言える。もはやネタの域なのかもしれませんな。

あと今回気づいたことなのですが、焼きの方法が両者似ている。羽根付き餃子というわけでも無いのに、羽根の出来損ないみたいなものが付いてくる(写真が無いと見事に分かりにくい表現だが、肝心の写真が無い)店が共通。他の餃子屋ではまず見かけなかった。

宇都宮餃子における一般的イメージ「一人前当たりが安い(みんみんは220円、正嗣に至っては170円)」「餃子以外のメニューを極力出さない」「餃子が小さい(大阪の一口餃子のように一口で食べることを前提にしているわけではなく、ただ小さい)」「餡は野菜中心であっさりしている」「水餃子はお湯に餃子を入れただけ」と言ったあたりは明らかにこの2軒が作り上げたものなので、この2軒を押さえればもう他は良いかも。まあこの後もっと硬派な店が出てくるけれど。

そして先ほど少し出てきた「宇都宮餃子会」なる結社だが、そのオフィシャル店舗という、観光客うってつけ的な店が存在する。

4. 宇都宮 来らっせ

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いわゆる「デパ地下」のフードコートの一角を占める。極めて立地条件は良いが、外から見て入っていることが分かりにくい(看板などでのアピールが弱い)のが玉に瑕。もし自分がこの店の創業時の責任者で、「新しい店の入り口のデザインはこんな感じにしようと思います」と担当者に見せられたら3日3晩寝込むに違いないと思わせるようなカオスな入り口。

ここはちょっと特殊な店で、日替わりで加盟店の餃子から7店舗くらいがピックアップされ、そこからよりどりみどりで選ぶ、というシステムがとられています。といっても焼く人は共通で、しかもそれほど有能な人が送られてきているとは思えない、という背景を考慮すると、あまり期待しない方が良いかも。だから、ここから徒歩圏内で行ける店よりも、車無しでは困難そうな郊外店を狙うのが勝ち組への近道。

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「白美人餃子」。砥上(駅からは割と離れる)の方にある店だそうだ。<というか店の名前見てもどこにあるか全く分からなかったので適当に選んだらしい。で後から調べた。

「白美人」というのはねぎの種類。これがウリの餃子。確かにねぎの主張がやや強い感じがしたが、まあ普通の餃子。一緒に飲んだのは「ろまんちっく村 地ビール」。ろまんちっく村というのは郊外にある、温泉とか食事とかする施設で、道の駅の大きいバージョンのようなところ。そこで作っているビール。飲んだ後の香りが華やかで中々おいしかったですよ。

この店昼時に行くとかなり混んでいるものの、ピーク時を外せば空いているので、みんみん、正嗣のようなことは無い。今月末には4倍の広さに増床してパワーアップするのだそうな。今もそこそこ広い(50席くらいあったと思う)から、本当一大拠点にするつもりなのだと思う。現状で微妙な点として、加盟店餃子でいつでも食べられるものが無いということが挙げられるが、それもリニューアル後は解消される模様。その時、現在常設メニューの「カレー餃子丼」なる極めてアグレッシブな代物が残っているのかは気になるところ(かなり気になったが、その後を考えて食べなかった。結局この選択は正解だったと思う)。

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今回のお宿はこちら。県庁前バス停の交差点にあるワシントンホテル。私の中での最初の宇都宮の記憶というのは大体この辺りから始まっていて、多分その頃からあった建物。だから結構古いですよね。ネットで空室照会したらたまたまここのホテルが引っかかってきて、正直割高ではあるがそんなことを思い出してここにしてみた。記憶が正しければワシントンホテルはこれで3軒目ですが、どこも値段相応ではないような。

―次:1日目3―
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by fyama_tani | 2007-04-15 16:37 | 雑記

観光客の目で宇都宮を視る(1日目3・4/7)

―前:1日目2―

さて、よりディープなサイドに突入です。

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オリオン通り(宇都宮で一番栄えてる、ということになっている、人のいない商店街)沿いにある謎の焼きそば屋。下野新聞社(栃木の地元紙)が出しているガイドブックにすら「屋号不明」と書かれているが、今回ネットで調べて、「住宅地図でこの場所が『安藤』となっている」という情報を入手。ネットの力は偉大。

それはさておき、宇都宮は焼きそばの専門店も比較的多い(が、横手とか富士見に比べて特徴と言える部分が無いのでメジャーになれないのだと思う。餃子という十字架もあるし)。それを象徴するような凄まじく怪しい佇まい。ちなみに、この店の裏側はいろんなデパートが入っては潰れ、最終的に何を間違ったか渋谷109の支店が入って建物ごと潰されて今は空き地となっているのですが、そんなのお構い無しに営業しているというのは凄い。今回は餃子が目的だったので入らなかったが、焼きそば縛りというのもアリかも。

あと、焼きそば屋というと、昔さる友人から「やきそば おやじ」という店が凄いという話を聞いていて、記憶が正しければ文化会館付近の細かい路地の間にある汚いコンクリートの建物の壁に下手くそな字ででっかく(多分黒スプレーで書いたのだと思う)「やきそば おやじ」とまんま書いてあったのを見つけ、これは凄いと思いつつ一度も入らないうちに潰れた、というのを思い出すのですが、誰かこの店知ってる人いますかねえ? (もう10年くらい前の話です。年、とったな)

餃子に戻る。

ネットで調べていたところ、「夕方からしか開いていない」「水・日と週2日休む上にそれ以外の時も気分次第で休む」「そもそも一日2時間くらいしかやっていないんじゃないかと」「当然餃子会には加盟してないし、取材も受け付けていない」「飲み屋街のど真ん中にあってメニューが餃子しかない(正嗣タイプ)」という物凄い店の情報を見つけた。同時に、「宇都宮餃子といえばこの店以外考えられない」という地元民も多いということを知った。所詮似非ですよ自分は。

5. 餃子の店 香蘭

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↑営業モード

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↑閉店時(改めて昼間に撮影)

どぎついピンクの看板、それを照らす強い照明、「餃子」の赤提灯、飾りも素っ気も無い引き戸……どう見てもいかがわしい飲み屋です。店内はカウンターのみで、人が座るとそれより奥に行けないほど狭い。調度品は基本ボロイし、自分が座った椅子はかなりがたついていたが、それなりに手入れされている印象(神保町辺りで、目立たない場所にあるくせに凄まじく混んでいる店にありがちな雰囲気)。テレビはあるようだが、位置的にあれは店のオヤジが個人で見るためだな。

メニューは「正嗣」タイプ。あっちか焼と水であるのに対し、この店は焼と揚。一つずつ注文。

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焼餃子(実際は6個)。かなり強い火力で焼いていた、という印象。一部揚げっぽくなっている。それに呼応してか、揚げ(写真無し)はかなりしっかり揚げられている。結構時間が経っても中までアツアツ。このレベルの揚餃子は中々食べられないかも。逆に焼だったらみんみん・正嗣系の方が好きかなあ。慣れの問題はあるかもしれないけれど。同じ焼きでも系統は別だと思う。

宇都宮においてある程度名の通った餃子屋に共通する要素として、ラー油が自家製ということが挙げられるそうですが、ここもそうで、結構辛めだった。これが揚げに合う。すなわち、どんなラー油を出すかというのも大切な要素であり、どんな店の餃子でも同じラー油で食べなければならない(自信は無いが「みんみん」のものをそのまま流用してる?)「来らっせ」はこの点に大きなハンデがあるだろうな。

この店の営業時間は16:00~。焼きだけなら15:00からやってるという話もある。何で揚げが1時間遅くなるかは不明。定休日は水・日。ただそれ以外にもかなり休みが多いらしい。実際、途中持ち帰りを買いに来ていたおばさんは「土曜もやってるんだねえ」って言ってたし。それに対する答えは「土曜もやってるよ~何も用事が無ければ」だった。だから土曜やっていたことに関してその偶然に感謝しなければならないのかもしれない。

この次の店に行くときにまたこの店の前を通ったのだが、19時前だったにも関わらずもう閉まっていた(「餃子」の赤提灯がしまわれていた)。というわけで「2時間くらいしかやっていないんじゃないか」というのはあながち間違いでも無さそうだ。

これは推測だが、この店の夫妻が生活するために必要最低限の稼ぎを出す量しか儲ける気が無いのだと思う。だから、そのために店舗を拡大したり、メディアの取材を受けたりすることはそれ自体がナンセンスで、昼間仕込みして夕方から2時間くらいで売り切る量をぬるく続ける(もちろん、営業時間中は常に客が回転し、行列ができることもあるそうなので、大変な仕事だとは思うが)程度がちょうど良いという結論なのだと思う。それならば他に用があれば軽く休みにしてしまうというのも納得がいく。そして、夫妻が餃子を作る気をなくした時に、ひっそりと無くなるのだろうな。みんみん・正嗣はあれだけ支店があるからこれからもどういう形にせよ続いていく感があるのに対して非常に対照的。10数年後には「伝説の店」みたいな言われ方がされるかもしれない。

そこからより飲み屋街としてのレベルが上がる区画に入ったところに最終目的地が。

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こんな昭和を思わせるような店が立ち並ぶ(これは昼)。

6. 中華園

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この店には餃子でないものに期待していた。その家常麺(手打ち煮込みそば)なるものと、餃子を「高いなあ(500円)」と思いながら注文。

ネット上のレビューでは「ラーメンのようでラーメンとは明らかに違う、不思議な食べ物」という書かれ方がされていた家常麺、手打ちという表現に違わず、注文を受けてから麺を切り出し、煮込んでいた。

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こんなのでした。幅広麺。そしてボリューム大。見た目に色の起伏が無いので分かりにくいが、野菜や干し海老が結構大量に入っている。スープはかなりあっさり目で、若干物足りない。それから数分して餃子到着。

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でかっ。

1個が今までに食べてきた店のそれの大体3倍くらいあると。

結論:そんなに量が食えるか

あと、個人的に一口で食べられない大きさの餃子ってあまり好きではないんですよー。というか、これくらい大きくなるとどうしても皮が厚くなるので、皮の主張が強くなるのが駄目、ということかもしれないけれど。そして、家常麺の麺は注文を受けてから伸ばしていた、ということは、結局餃子の皮と同じもの使ってんじゃん、というオチ。結局かなり無理矢理餃子は詰め込むも、家常麺は残しました……。味に起伏が無いというのもツライ点。

言い訳ではないが、別に普通に入ったとしてもかなりきつめの量だと思う。メニューだけ見ると割高感ある価格だが、量を考慮すれば妥当かも。飲み屋街のど真ん中にある割には明るく綺麗な店内で、家族連れも多い。1人1皿餃子を頼んでいた家族(もちろん、それ以外に一人一人別な料理を頼む)がいたが、そんなに食えるのか?

そんなわけで物凄く胃が痛い夜。

―次:2日目1―
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by fyama_tani | 2007-04-15 16:30 | 雑記

関西付近を微妙に彷徨う(8日目・3/31)

―前:7日目―

さて帰るわけですが。

昨日仏教系の総本山である高野山に行ってきたわけですが、今日は伊勢神宮の方に行ってみようかと。どんな神仏混交かと。無宗教主義だからこそできる組み合わせですな。

で、金に糸目をつけないなら昨日同様私鉄特急を使うのがベストだが、18きっぷで行くという都合上JRで。なんばは私鉄がかなり充実していますが、その中にポツンと離れて存在するJR難波駅へ。昨日の段階で、時刻表とウェブサイトの両面で時刻を調べていたので間違いないだろうと駅へ行ったら乗るべき電車が駅掲示の時刻表に存在しない。

いやそんなまさかと思って次は携帯で調べるも、そんな電車はどこにもでてこないわけで。で、代わりに出てきたのが南海電車を使って一旦新今宮まで出てから快速に乗るコース。

注:JR難波駅から南海なんば駅までは10分以上歩く

結局思い荷物を持って歩きましたとも。JR難波から各駅に乗って新今宮に出ても間に合うんじゃねーか、とも思ったが検索結果に出てこない以上当てにはできない。

帰ってから、この辺りの時刻を詳しく調べてみたんだが、未だにこの辺りの仕組みが理解できない。大阪環状線と関西本線(今回乗ろうとしたのはこっち)が渾然となった(更に関空方面も混じっている)ダイヤで、時刻表では一緒になっていたり分離されていたり統一が取れない。更になんばにおけるJRの駅は「JR難波駅」が正式名称で私鉄のなんばとは別な名前になる。そういうもろもろの要素が絡まって、検索システムが追いついてこれないのだと思う。もう嫌。

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南海なんば駅改札へ続く大階段。阪急梅田駅もそうだが、大阪の私鉄駅は「いかにもターミナル!」って感じがして中々壮観でした。いろんなところへ発着する分、裏返すと分かりづらいのだが。

新今宮駅は治安が悪いことで有名なあいりん地区が近くにある。というかホームから見えたのだが、日本か? と思った。アメリカで何も知らずに治安の悪いエリアに入り込んでしまった時に見えた景色に近いものがあるのですが。この近辺のホテルはありえない位に安く、ネット上で調べると普通の1泊分の値段で3泊分泊まれるようなところがガンガン出てくるので迷ったが、泊まらなくて正解だったかも。電車に乗ってからもしばらくはそんな風景だった。奈良方面に向かう電車だからだんだん田舎になっていくのは分かるとしても、久宝寺位までは殺伐した感じが残っていた。

ちなみに、あいりん地区(というかそれがある大阪府西成区)についてはここが詳しいですよ。

最強都市 THE西成 - 大阪民国ダメポツアー

ここの一番最初に載っている写真に写った建物は、まんま新今宮駅のホームから見られます。

三重県方面へ行こうとすると完全なポンコツディーゼルカーしか走らない区間となる。例によって半端無く混み、大きい荷物を持つ身としては辛い。更に途中亀山駅で接続待ちで約1時間足止め。

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3方向から電車が乗り入れる駅にも関わらず、何この田舎テンション。「Welcome to リニア」「Step up 複線電化」って看板があるが、これは無理だろ。

駅前の弁当店(上の写真で「いとう」って看板が出てる店)で買って軽く食事。店内をミニチュアダックスフントが走り回るという物凄い環境であった。ちなみに、この店で幻の駅弁とされる「お茶漬け弁当」が買えるらしい。要予約とのことで、まあ頼み込めば作ってくれそうな雰囲気もあったがそれは良いや、と。

亀山まとめ:シャープに就職ってのは無いな。

ここから伊勢神宮の最寄り駅、伊勢市駅までは2両ディーゼルカー→1両ディーゼルカーとランクアップして。

立ち読みガイドブック情報によれば、伊勢神宮は大きく内宮と外宮に分かれるらしい。外宮は駅からすぐだが内宮はちょっと離れている。「タクシーの客引きは一切しません 内宮まで640円」と書かれていたが、これこそぼったくりじゃん。外宮までの値段の目安書けよ。

まあバス使うんですけど。昨日の高野山と違って、10分おきに来るという親切設定(土曜ってのもあったんだけどね)。ただ、乗ってしばらくすると、こんなアナウンスが。

「バスはまもなく○○に着きます。本日、ここから内宮までは大変な渋滞となっております。内宮前まではここから約600mですが、バスでは約50分ほどかかる見込みです。下車してここから歩かれるか、50分間私にお付き合い頂きたいと思います

そんなに混んでるんですか? 嘘かもしれないが、600mなら歩けるし、ということで下車。

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あごめんなさいめちゃめちゃ渋滞です。

高野山が大して人がいなかったので、土曜ということを考慮に入れてもそれほどではないのかなあと思いきや物凄い人出。ここから内宮に行く途中におかげ横丁と呼ばれる土産物街っぽいところがあるのだが、そこも

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こんな感じ。ちなみに、場所柄昔の参道が観光地化したのかと思いきや、あの「赤福」が10年ちょっと前に人工的に作った街なのだとか。

ここはいろいろな店が雑多に扱われていて、立ち食いできるものもかなり充実している。ちょっと凄いと思ったのは、呼び込みをしている店が全く無い点。協定か何かで決められているフシはあるが、それぞれの店が商品にプライドを持って経営しているという気概が感じられて、非常に気持ち良い。伊勢のにごり酒を買ってみたよ。

そして内宮へ。江戸時代には「死ぬまでに一度は行ってみたい」と言われる聖地だったところですが、中は非常にシンプル。桜が綺麗な参道を通り、本殿へ。

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本殿も物凄い行列。ちなみに20年? ごとに解体し、イチから建て直すらしい(予定地と書かれた空き地が隣にちゃんとあった)。何でそんなことするんだ? つか古ければ古い方が良いんじゃないの? と思ったが、これは神様になるべく新しいところで心地よく過ごして欲しいという意味合いの他に、定期的にこういった建物を建てる機会を作ることで貴重な技術を次の代へ上手く伝承する、という意義があると聞いて納得。

んで、バスに乗って外宮へ。どうもこのバス環状運転をしているらしく、行きと帰りで全然ルートが違い、やや焦る。しかし、そのせいで行きと帰りで値段が変わってしまうというのは納得いかん。駅に近いという立地条件の利があるにも関わらず外宮は閑散としていた。構造は内宮とほとんど変わらず。それに伴ってか駅前の商店街も地味。

ちなみに、本来の参拝の順番は外宮→内宮らしい。だって時間にあんまり余裕が無かったから重要性が高いところを先に回っておく必要があったのですもの。

伊勢から名古屋までは快速で1本。相変わらずディーゼルカーだが、これまでのポンコツに比べると格段にレベルが上がっている。車内の雰囲気も特急って感じだし。JR東日本も非グリーン車でこの位の設備の快速作ってくれないかなあ。宇都宮線辺りで。

ただ、コイツはJRにも関わらず途中第3セクターの線路を通りやがるのでその分の追加料金を取られる罠。18きっぷな人が沢山混ざっている今は絶対検札来ると思って先に清算済ませるもずーっと来なかったのではめられたな俺チキンだなとか思っていた頃に検札。

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コレが必要。まあ、もともとはJRの路線だったから仕方無いのか……。

とうとう名古屋。名古屋もまだまだチェックせねばならぬところがありそうな気がするが、今回は時間が無いのでそのまますぐ新幹線乗り換え。今度じっくり回りたい。新幹線待ち時間を利用して、この旅最後の目的を果たす。

名古屋駅の駅そばはそば・うどんでは無くきしめんが幅を利かせている、という話があり、数ある名古屋グルメの中でもきしめんはまともに食べたことが無かったのでちょうど良い機会だと思った。更に、Wikipedia大先生によれば新幹線ホームのきしめん店が店内で出汁をとっている分おいしいと好評であるらしい。つうか、そんな情報とかどうやって見つけてくるんだ。名古屋駅の新幹線ホームに行く機会はこの先もかなり限られると思われるので、これを千載一遇のチャンスと思わなければ。

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せっかくなので「特製きしめん」を注文。キス・エビ・カボチャ天が乗るという豪華構成。これで530円なら満足でしょう。ちなみに、どうもこの日最後の1つだったっぽい。ナイスタイミングですね。この店、天ぷらの種類が充実しているだけでなく、「チャーシューきしめん」というような怪しいものもやっていたりで、かなり芸風は広そう。

伊勢市から名古屋まで出てきたのとほぼ同じ時間で東京着。のぞみは速いよ。そして東京駅を歩いて第一に思った感想。

やっぱ大阪より東京の方が人は多いわ。

でも歩きにくかったのは圧倒的に大阪。つまり都市によって人の流れというのは全く違うということなのだろうな。で、アウェーだと途端に効率が悪くなる。田舎から出てきた人が都会を歩けない、というのとおそらく同じことなのでしょう。
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by fyama_tani | 2007-04-15 16:23 | 雑記