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桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない-A Lollypop or A Bullet』

No.77
富士見書房:2004
☆☆☆
「おとうさんにしか殴られたことないんだから!」

この科白はやっぱりアレを意識してるんですか。

私的には桜庭一樹は今年くらいにかけてもっと有名になる書き手さんじゃないかと思っているのですが、本書はそれを象徴するが如くの、ラノベとして最初出て、その後単行本として最近再刊された一冊。乙一と同じパターン(冲方丁も同じカテゴリか?)ですね。ちなみにラノベ版なら持ち歩きやすい上に約3分の1の値段で手に入るので極めてお得。ただし表紙とか途中のイラストは思いっきりそっち系という諸刃の剣。

一般的にラノベと呼ばれるものを全く読まないので、どの辺りの立ち位置が一般的なものであるか良く分かっていないのですが、本書は極めて一般的な作品であると感じました。二人の女子中学生を通して、両者の成長を描く、と思いきや……みたいな内容。

この前読んだ『少女七竈~』と比較すると伏線の張り方が甘かったり、描写が直截的過ぎに感じるところがいくつかありましたが、それは発刊順の問題でしょう。基本救いようの無い結末ですが、以外に良い人が多かったり、ちょっとした謎解き要素がアクセント(「答えられない問題」のエピソードは、「落語かよ!」って思いましたが)っぽくあるのは好印象。

あと、この人はうらぶれた片田舎の描写が巧いですね。変に美化するなんてのは論外ですが、笑いに走ることなく淡々とこれだけ書けるというのは結構貴重かも。

関連本→
北村薫『秋の花』:これに限らず、少女二人が出てきて片方が欠ける、という設定は比較的多い。
by fyama_tani | 2007-04-29 22:37 | 本:その他